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少子化問題と福祉心理

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少子化問題の現状

高度経済成長期以降、核家族化の進行に伴い、育児の孤立化、母親の育児負担等の問題が顕在化し、地域子育て支援の必要性への認識が高まってきました。

以前は母親のみに任せられてきた育児に対して、社会全体で子育て支援を展開していくための施策が動き始めたのは、少子化が社会問題として注目された1990年代からです。

1994年のエンゼルプラン、1999年の新エンゼルプラン等といった、地域による子育て支援の推進が行われ、2003年には「次世代育成支援対策推進法」が制定され、子育てが国、地方公共団体、市区町村、事業主及び国民の責務として明記されるようになりました。

近年の少子化問題に対する考え方

さらに、平成26年(2014年)の資料として内閣府のホームページにて、少子化問題について以下のように記載されています。

「人口減少と出生率

  • 現在の傾向が続けば、2060年には人口が約8700万人まで減少。
  • 2030年に、合計特殊出生率が2.1程度に回復する場合においても、2090年代まで人口減少は続く。
  • 少子化対策が急務。当面は、人口減少が続くことから、人口減少に対応した経済社会づくりが必要。」

この内容の中で、「人口減少に対応した経済社会づくりが必要。」という部分から社会全体が子育てを支援するべきという考えが表れています。

社会全体で取り組む少子化問題

少子化問題に対して、より子育てのしやすい社会づくりと、子どもを社会全体で大切にすることが重要とされてきています。

社会全体で行う子育て支援こそが少子化社会に必要な福祉であるといえます。

ただし、子育て支援といっても様々なものがあり、児童手当といった経済的な支援や、一時預かり事業、放課後児童健全育成事業といった親代わりに児童の世話をする支援のみでなく、子どもやその親に対する精神的、心理的な支援も展開されてきています。

市区町村で行われている「地域子育て支援拠点事業」や「利用者支援事業」「市町村子ども家庭総合支援拠点の設置」「児童家庭支援センターの設置」といった福祉支援がその一部であります。

地域子育て支援拠点事業

「地域子育て支援拠点事業」とは、公共施設や保育所、児童館等といった地域の身近な場所で、乳幼児のいる子育て中の親子の交流や育児相談、情報提供等を実施するという事業です。

NPOなど様々な機関の参画による地域の支えあいを促進し、地域の子育てのしやすさを向上させることを目指しています。

つまり、子育て中の親の孤立化や、情報不足による心理的な不安を解消する福祉支援です。

地域の中で、より身近に、相談や情報提供といった子育て支援を提供していくための事業です。

利用者支援事業

「利用者支援事業」とは、子育て中の家庭や妊産婦が、教育・保育施設や地域子ども・子育て支援事業、保健、医療、福祉等の関係機関を円滑に利用できるために、身近な場所での相談や情報提供、助言といった必要な支援を行うとともに、関係機関との連絡調整、連携と協同の体制づくり等を行う事業です。

子育て中の親が、どのような公共サービスをどのようにして利用できるのかをわかりやすいように相談できるため、心理的に子育てを支援している福祉事業といえます。

市町村子ども家庭総合支援拠点の設置

2016年の児童福祉法の改正を受けて、国は新たに「市町村子ども家庭総合支援拠点」の設置を進めることにしました。

これは今までより、さらに力を入れた支援事業を行うものとした、市町村のあらゆる子どもとその家族への支援事業を総合的に展開する拠点であります。

なお、国の通知では、業務の内容等を以下のように示しています。

「一般の子育てに関する相談から要保護ケース、および妊産婦の相談に応じ、児童虐待通知の受理と対応、要保護児童対策地域協議会の運営等を業務内容とし、これに当たる職員としては、子ども家庭支援員、心理担当支援員、および虐待対応専門員とされ、心理担当支援員の主な業務として、心理アセスメントと子どもや保護者等の心理的側面からのケア」

(「市町村子ども家族総合支援拠点の設置運営等について」平成29年3月31日付厚生労働省雇用均等・児童家庭局通知)

このように子どもやその親への心理的なケアの必要性も子育て支援事業の中で注目されています。それに伴い子育て支援において、心理アセスメントや心理担当支援員といった心理的側面の支援の専門家の必要性もうたわれています。

児童家庭支援センターの設置

児童家庭支援センターとは、児童に関する相談のうち、専門的な知識と技術を必要とするものに応じ、必要な助言を行うとともに、市町村のニーズに応じて、技術的助言や必要な援助を行うほか、要保護児童とその保護者に対して支援を行う機関であります。

乳児院や児童養護施設に併設されているところが多く、2017年8月の時点で、全国に120カ所設置されています。

相談員としては、心理職が設置されていて、市町村における子どもとその親への支援の専門機関としての特徴を備えています。

児童相談所や市区町村、児童福祉施設、学校といった関係機関との連携の軸となって福祉支援を行っています。

働き方改革による少子化対策

近年注目されている働き方改革も少子化に対して有効な改革であるといえます。

実際に内閣府のホームページの中で以下のように記載されています。

「新しい少子化対策の柱としての「働き方の改革」

  • 若い世代が子どもを生み育てやすい環境を作るためには、従来の働き方を見直し、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)が可能な働き方ができるように、職場全体の働き方や雰囲気を変えていく「働き方改革」が必要である。」

(2020年、内閣府ホームページより抜粋)

国が推進している働き方改革は、少子化問題を考える上でも必要であると明記されています。

働き方改革でワーク・ライフ・バランスを考慮した働き方ができるようになることで、男女問わずに子育てに力を入れることができるようになります。

また、「育児休業の取得」についても意識が変わってきています。

今までは、子育ては母親に任せるものという古い考え方が社会に根付いていることもあり、特に男性は育児休業を取得することが困難でありました。

しかし、少しずつであるが男性も育児休暇を取得する必要があるといわれるようになってきています。

働き方改革で育児を支援することは、子育てをしやすい社会へと国民の意識を変えることであるため、少子化問題に対する心理的な支援の1つであります。

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