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福祉心理と高齢化問題

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日本の総人口は減りつつありますが、高齢者の人口は増え、子供の数は減少傾向にあるという少子高齢化の問題は深刻で、避けることができない課題であります。

福祉と高齢化問題について詳しく説明していきます。

Contents

高齢化の現状

2018年で日本の65歳以上の高齢者は総人口の25%を超えていて、日本人の4人に1人は高齢者であるという計算になります。

また、65歳以上の高齢者がいる世帯は、1989年は約1100万世帯であったのに対して、2016年には2416万5000世帯と倍増していて、日本の全世帯数の約半数が、高齢者がいる世帯ということになります。

2016年頃での状況として、高齢者がいる世帯で、3世代同居は約11%であります。

そして、老夫婦世帯が約31.1%で、一人暮らしの高齢者世帯が約27.1%であるため、その割合を合わせると約半数以上が高齢者のみの世帯ということになります。

つまり、日本全体の約5000万世帯のうち、半数近くの2416万5000世帯は高齢者がいる世帯であり、さらにその中の約1400万世帯は老夫婦か高齢者の一人暮らし世帯ということです。

ここで、高齢化社会になると、避けて通れない問題として介護の問題があります。

高齢者にとって介護が必要になる理由で、最も多いものが「認知症」であります。

高齢化に伴う認知症の実態

65歳以上の人口の約15%に認知症は出現する病気であり、2012年の報告では推定で462万人の認知症の人が日本にいるといわれています。

認知症は年齢が上がるにつれて、その出現率が高くなることが知られております。

具体的な割合としては、85歳以上になると約40%、90歳以上で約60%、95歳以上になると約80%の人が認知症になると考えられています。

認知症の人や、介護をする家族や施設職員をどのようにして支援するかという問題は、医療や介護の問題だけではなく、多くの領域の人々が力を合わせて取り組まなければならない課題となっています。

認知症と福祉心理の基本的な考え

福祉心理における基本的な考え方としては、認知症の人に対する理解が必要とされています。

つまり、認知症になると、認知機能障害による思考や行動の混乱が起こりますが、それは本人にとって、帰ろうとする行為、自分のものを盗まれたという反応、拘束されることに対する反発など、ちゃんとした目的がある行動であるという理解が必要ということです。

高齢者や認知症の人を心理学の視点で理解と支援をするという考え方が、福祉心理の基本的な考え方として重要であります。

認知症の症状としては、行動となって表れる「行動症状」と、認知症の人の内面に現れる「心理症状」の2種類の症状があります。

行動症状の具体例

徘徊、攻撃性、不穏、焦燥、不適切な行動、多動、性的脱抑制などがあります。

心理症状の具体例

妄想、幻覚、抑うつ、不眠、不安、誤認、無気力、情緒不安定などがあります。

福祉心理の観点における行動・心理症状に対する支援

行動症状、心理症状といった認知症の症状は、その介護にあたる人にとっては大きなストレスがかかる症状であります。

福祉心理の考え方が普及する前は、介護にあたる人の介護負担を軽減するという視点が重視されていました。

しかし、福祉心理の観点が注目されるようになってからは、認知症の症状で最も困っているのは認知症患者本人であるという理解が必要とされてきてます。

この福祉心理の基本における考えでは、単に介護者の負担を減らすという視点だけではなく、認知症患者本人が苦痛を感じることなく生活をしていけるような支援や対応が重要となります。

また以前は、徘徊や妄想などといった症状を具体的にどう対処するかという方法が一般的でした。

例えば、徘徊は目的もなくうろうろ歩く行為としてとらわれ、カギをかけた部屋から出さない、場合によっては狭い部屋に閉じ込めるといった対応が正しいとされていました。

福祉心理の観点としては、徘徊は本人なりの目的がある行動として理解され、その目的に沿った対処法を考える必要があるとされます。

また、ものを盗まれたという妄想をする認知症患者に対しては、その妄想の背景には、強い不安感が存在するといわれており、不安感の解消が行動・心理症状の予防や軽減のためには有効であると考えられます。

このように福祉心理の観点では、認知症はその症状だけに目を奪われず、原因に沿った対処や支援を行うという考え方が基本となります。

そして、福祉心理を視野に入れた考え方が、認知症ケアの理念として定着しつつあります。

福祉心理の観点での高齢者への支援

認知症ではないとしても、高齢者は様々な面で身体的な不便を感じております。

人は高齢になると、身体面では、視力や聴力などの五感、運動機能や体力、記憶力なども低下してきます。

そのため今までは簡単にできていたことが、自分自身でできなくなったという状況が生まれ、家族や専門スタッフによる介護が必要となってきます。

高齢者とのコミュニケーション

介護をする人は、高齢者を身体的に支援するだけではなく、上手にコミュニケーションを取ることが重要とされます。

その際のポイントは以下のようなものです。

  • 高齢者のペースに合わせた支援
  • 高齢者が聴き取りやすいように、低めの声でゆっくり話すこと
  • 高齢者の話に耳を傾けること

これらのことを介護の対象となる高齢者の性格や状況に合わせて臨機応変に取ることが重視されます。

また、高齢者は動作が遅くなる傾向にあります。そのため、急かさずに見守るようにコミュニケーションを取ることが福祉心理の観点では必要とされます。

さらに、高齢者自身でできることには手を出さないようにすることは、高齢者の自立支援につながると考えられます。

高齢者は聴力が低下しているため、会話をするときは、わかりやすいようにゆっくりと明確に話す必要があります。

さらに、高い声は高齢者にとって聴き取りづらくなっているため、低めの声で話すことが望ましいとされます。

身振りや手ぶりを用いたコミュニケーションも高齢者との理解を深めるにあたって有効といえます。

高齢者の話によく耳を傾け、興味や関心があることを引き出すことで、高齢者が楽しみを見つける手助けをすることができます。

以上のような高齢者とのコミュニケーションといった心理的なケアも、福祉心理の視野を入れた大切な支援といえます。

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